|
島根県松江市、と聞いても、ぴんと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな貴方に知っていただくために、松江を紹介してみます。
その1 宍道湖
なんと言っても宍道湖。 もう、これにつきると言っては言い過ぎでしょうか。
全国でも六番目の大きさを誇る宍道湖。その宍道湖を挟むようにして松江市があります。 その四季折々の表情、また、朝夕の太陽に照らされた湖面は、見る人を魅了してやみません。
私はその宍道湖の湖畔で生まれ育ったこともあり、「松江あっての宍道湖、宍道湖あっての松江」という思いがとても強いです。従って、私の病院もすぐ近く、です。
私は、朝夕に犬の散歩に出かけるのですが、宍道湖の湖畔の土手はお気に入りのコースです。 (いや、私がね。うちの犬にとってははた迷惑かもしれませんが。)
おすすめは満月の夜の宍道湖です。
確かに夕日の宍道湖(下の写真のような)もいいです。 でも、実は夜中の宍道湖は抑えておくべきです。みなさんも松江に来られた際は、松江温泉へ
お泊まりになって、お食事して温泉に入った後、夜の宍道湖湖岸の散策をおすすめします。お試しあれ。
あと、八月第一土日の水郷祭という花火大会もおすすめです。 水上花火、という花火があるのですが、その綺麗さと裏腹の迫力がまたいいのです。
しかも、宍道湖湖畔の夜景と重なって、美しいことこのうえなしです。
宍道湖は御存知の方も多いと思いますが、汽水湖です。
斐伊川等の河川と、中海の両方とつながっているために海水と淡水が混じり合っています。 その環境のため、しじみ、ウナギ、白魚、スズキなど大変バラエティに富んだ魚、貝類が生息しており、
松江市民の食生活の一端を担うと同時に潤しています。
特に、シジミは全国的に有名です。 私が幼少の時代は、「シジミは湧く」と言われるほど大量に生息しておりました。 升一杯10円、なんて言う売り方をしているくらいでしたから。
しかし、現在その生息数も減少の一途をたどっています。 主な原因は、水温にあるといわれており、数年前はそのあまりの気温の高さにほぼ全滅したほどです。
昨今、松江でも全国水準と変わらないくらいにまでその価格は高騰しています。 かといって食卓に上らなくなったかと言えば、そうでもありません。
それは、価格が高いとはいえ、松江市民の食文化にとけ込んでいる表れなのではないでしょうか。
▲ページのトップへ
その2 奥ゆかしい風情と情緒
これについては、松江を知っている人なら賛否両論あるとは思いますが、私はあえてそういわせていただきます。 城下町の上、お茶が盛んという土地柄、独特の品性があるといえます。
まあ、そのくせ何かあるというとすぐ一升瓶が送られてくる妙な一面もありますが・・・。 閑話休題。
町の雰囲気も「山陰の小京都」と呼ぶにふさわしく、あくまでも控えめで楚々としています。 最近はずいぶんと観光化が進んできましたが、ほんの少し観光コースを外れた小径には、まだ
意外な発見があるのがうれしいところです。
また、明治初期から昭和初期にかけての近代建築もまだまだ残っています。 代表的なものに、旧日銀松江支店(現在カラコロ工房という工芸館になっています。)、
旧八束銀行本店(現山陰合同銀行北支店)があります。 ですが、私のお薦めは、田野産婦人科医院と、トラヤ紳士服店、それにかげやま呉服店です。
田野産婦人科は、明治4年(1871年)に建てられた、木造2階建ての建物です。 その外観は、瓦葺きの屋根ながら、西洋様式のアーチ型の窓など、アールヌーボー様式を思わせます。
トラヤ紳士服店は、昭和7年(1932年)に建てられた、木造2階建ての建物です。
しかし、外観からは、木造なのかと一瞬疑ってしまうほど、重厚な雰囲気です。 特に駐車場の壁のレリーフなどは、一見の価値があります。
かげやま呉服店、これは明治37年(1904年)に建てられた木造2階建てです。 旧国立第三銀行になります。 前を通り過ぎただけではそれとはわかりませんが、二階に目を向けると土蔵を思わせる重厚な扉のついた
四つの窓が印象的です。
先頃オープンした島根県立美術館でも「松江近代建築物見学ツアー」なるものがあります。
先にあけたような建築ももちろん入っています。 限られた時間で観光される方が大部分でしょうから、致し方ないのですが、 このような建築物を散策する、という観光も、その地域の文化を知る上でおもしろいのではないでしょうか。
特産品、観光地にとどまらず、その地域の文化、人となりにふれること、そんな観光をされると 充実した旅を過ごせると思います。
▲ページのトップへ
***閑話休題〜松江の風景(燈篭流し)〜***
  
*************************************
その3 おいしい和菓子とお茶
江戸時代の松江藩藩主、松平不昧公は大変な茶人であったため、その影響から、庶民にもお茶を頂く 習慣が古くから根付いています。
実際、毎日のおやつの時間の際に、薄茶を点てることは日常茶飯事ですし、どの家庭にもといってよいくらい、 抹茶を点てる道具があります。
また、お茶自身も大変おいしく、いわゆる静岡のお茶や、宇治のお茶と比べてメジャー度は劣りますが、 味は何ら遜色のないものとなっています。
お茶、といえば和菓子が付き物ですが、これがどうして侮れません。 私の病院は松江城のお堀に隣接しており、また、いわゆる昔からの商店街とも隣接しているため、
ほんの徒歩一分ほどの間に和菓子屋さんが4件あります。 どのお店もそれぞれに特徴があるため、「どこが一番おいしいか」という評価は適切ではなく、むしろ
「どこが一番好みに合うか」という評価になってきます。(要はどこもおいしいからすきずき、ということなのですが・・・。) 私の一番のお気に入りは、風月堂です。私にはここの和菓子が合っています。
大量生産をしていないうえ、その日によってあるものとないものがあるため、電話確認が必要 なのですが、どれも私好みです。特に最中。
小豆の味を甘みがじゃまをしていないため、小豆の風味が口いっぱいに広がります。 かといって甘くないわけではありません。 しっかり甘いのですが、雑味が一切ないため、くどくなく、しかも和三盆のようにさわやかに
甘みが口の中を通り過ぎるのです。 ああ、ごぼずが・・・、もとい、よだれが・・・。 ちょ、ちょっと買いに行ってきます。
▲ページのトップへ
その4 出雲弁
この松江の方言は、「出雲弁」と呼ばれています。
訛りが強く、東北弁のように口を大きく開かなくても発音できます。
私はこちらで開業するまでは、九州に12年いたのですが、あちらの言葉とは対照的です。 「〜たい」、「〜ばってん」など、破裂音がその方言の中に入っていますが、
出雲弁の場合、「〜しちょー」、「〜だわね」など、唇を動かさなくても(口唇の開口度に関わらず) 舌の動きのみで発音できる方言が多いです。
ここからは憶測になるのですが、東北や山陰など、雪深く気温の低い地方は、大きく口を開けると 寒いため、必然的に口を開けなくても通じる方言が発達したのではないでしょうか。
「ごぼず」。先ほどもでてきましたが、おわかりですか? 「よだれ」のことです。 「ざまく」。どうでしょうか? これは「雑」ということです。転じて「おおざっぱな」という形容詞にもなります。
「あーけまよもよも」。・・・。 まさに未知の世界なのでは? 鹿児島弁で黒板消しのことを「ラーフル」と言うのと同じくらい訳わかりませんね。
あーけまよもよもは、しばらく答えを書き込みません。頭ひねって考えてみて下さい。 ちなみにこんな風に使います。 「け、おまえさんだらずだねか。あーけまよもよもしれたもんだわ。」
・・・、用法書いたらもっとわからなくなったかも、ですね。
▲ページのトップへ
|